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 外では太陽が朝の到来を告げていたが、その部屋には一切の陽光も無く、よって何者にも見通すことは出来なかった。
その隅にかすかな吐息と、僅かな温もりを感じる。

 何かが居るようだ。 だが、暗闇の中では何なのかまでは判らない。
そこに、明かりを持った男がやって来た。 局地的に照らされた岩壁を見るに、
そこは山岳を直接刳り貫いた場所であるようだった。

「おい、起きろ。」

 男は部屋の隅を照らす。

「ひっ・・・!?」

 驚きと怯えが混じった声である。
そこには少女が居た。
 一糸纏わず、全身を痣だらけにしているが、その肢体は美しかった。

 男は少女に滲み寄る。

「寄るな・・・、痴れ者め・・・。」

 そうは言うものの、言葉に相応しい強さが込められていない。
ふぅ、と男はため息を吐く。

「董白様よ、まぁだ自分の立場が判ってねぇのか?」

 董白と呼ばれた少女は、びくりと身を震わせた。

「あんた、昨日自分の事なんつった?」

 憔悴しきってはいるが、ぎらぎらとした光を瞳に湛えてそう言う。

「き、、昨日のことは昨日のことだ!!」

 きっぱりと言い返す。 だがそれも未熟さゆえに。

「ほう、んじゃ今日も体に聞いてやろうじゃねぇか。あん?」

 男は少董白を押し倒す。 抵抗するも、男の膂力に敵うわけもない。

「やめろ・・・、リカク・・。 お前はおじいさまに可愛がられてたじゃない。」

 リカクという男は、鼻で笑う。

「あぁ、そうだぜ? 董卓が生きてた頃はよかったよ。殺し放題犯し放題だったからな。」

董卓、、呂布を筆頭に圧倒的な戦力を持って君臨した魔王。
董白はその孫娘であり、リカクはその配下であった。

「だがやつぁ死んじまった。死んだやつにゃ何も残らねぇ。肉も骨もな。」

 董卓の部下がその死を慰めるために祭祀を起した際、天よりの雷が董卓の肉体を消し飛ばしたのだ。

「あれから、俺の人生真っ逆さまだぜ。 帝にゃ逃げられ、てめぇの我侭聞いて、曹操には戦でボロ負けよ。」

 リカクの舌が董白のツンとたった乳首を責める。 

「判るか?力こそが全てなのよ。 俺にはもう何も残ってねぇんだ。」

 膨らんでいるといってよいか定かではない胸を、掌で乳首を押しつぶすようにこね回す。

「おめぇだって、何も残っちゃいねぇんだ。 あるのは乳くせぇ体だけだ。」

 胸を責めることを止め、董白の頭を持ち上げる。

「だからよ、一緒に逝こうや。このまんま、犯って犯って犯りまくってよォ!」

 すえた臭いを発する逸物を董白の小さな口内に捻り込む。
董白の頭を無理やりに動かし、己の快楽を得る・

「んんー!?」

 大きな瞳に大粒の涙を浮かべ許しを請うように、見上げる、が。

「うめぇか!?うめぇのか!?ひゃははははぁ!」

 男の欲情を昂ぶらせることになる。

「いいぜぇ・・・!董白様よぉ・・!」

 この後に及んで様と呼ぶことにより、董白の矜持に傷を付け、本来敵う筈のない存在を汚す快感に浸る。

「うぐ・・はぁ。」

 董白の口から逸物が抜き出されるが、勿論行為が終わるはずも無い。
董白のかつては艶ががっていた髪を逸物に巻きつけ、しごき始めたのだった。

「いやぁ、髪はいやぁ!!」

 泣き叫ぶが、リカクは更に髪虐を速める。

「出すぜ・・・。たっぷりと塗りたくってやるぜ・・・。」

 髪が食い込むほどに膨張した逸物が、濃く、白く濁った精を董白の髪に頭に浴びせかける。

「ひどい・・。おじいさまがくださった・・・のに・・・。」

 董卓は董白を特に可愛がり、十になったばかりの頃に董白の紫の髪に良く似合う豪奢な髪飾りを送ったことがあった。
愛する祖父の愛情に、涙し一生の宝物にすると決めたのだった。

 それが、汚らしい下衆の精で汚れてしまった。

「お前なんか、おじいさまが生きていればあたしに近づくことも出来なかったのに!」

 状況も省みずに激昂する。 未だにそれほどの威を発することができたことにややたじろぐが、

「その愛しいおじいちゃまが居ないから、こんな目にあってるんだぜぇ?」

 破滅から目を逸らすために、劣情を再燃させる。

「昨日言った言葉、思い出せたか?」

 再び問う。

「思い出すはずないじゃない!!」

 再び突っぱねる。

「じゃぁ、昨日されたことは思い出せるか?」

 リカクの顔が、小動物を甚振る弱者のような血走った表情になる。

「!?・・いや・・やめて・・・」

 何をされたのか、董白は威勢を全く無くし懇願する。

「いーや駄目だ。 約束を忘れたやつにはおしおきしなくちゃなぁ。」

 リカクは、部屋の隅に置いてあった袋を手に取ると、董白の体の上に掲げる。

「いや! あんなのはもういやぁ!」

 半狂乱となって喚き散らす。 あの袋には何が入っているのだろうか。

「じゃあ、今日も蛭とお遊びなせぇよ、ひひひひ・・・。」

 袋の中身は蛭であった。 
昨日、ぬらぬらと蠢く蛭を全身に這わせられおぞましさと情けなさから失禁をしてしまっていた。

「良い声で泣いてくれよォ・・。」

 リカクは袋の口を下にした。

 襲い来るはずの恐怖の前に、董白は声を失い目を腫らしていた。

 だが、何も振ってこない。



「なーんてな。あんな薄汚ぇもんそうそう捕まえられるかって。」

 ひゃははと笑うリカクを見上げ、董白は今の自分の醜態を認めずにはいられなかった。

「これでわかっただろ? おめぇは何の力も無い餓鬼だってことがよ。」

 そう、どれほど強がってもこれが実情なのだ。

 過去を思い返しても、何の力も与えてはくれない。

 愛しい人はすでに居ない世界、そんな中で自分はもう何も愛することも自分を愛してくれることもない。

 悟ってしまった。

 もう全てが終わっていたことに。

「もう一回聞くぜ。てめぇはなんだ?」

「私は・・男を喜ばせるだけが取り得の・・・はしたない・・メス猫です・・・。 どうか・・そんな私に御慈悲を・・・。」

 自らリカクに尻を向け、可愛らしい桃色の秘所をさらけ出す。

「よくできたな。 良い子にはご褒美くれてやらないとな。」

 リカクは本物の獣の交尾のような体勢で董白の中に自らを埋めた。

 もう何もかもが終わったんだと、董白は最後に呟いた。



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