前回の夜から数日、小虎は部屋に籠もりっきりだと大虎は聞かされた。

自分の仕打ちのせいで小虎が苦しむ。
そう思うだけで優越感に浸れる。

だが、今回は違った。

ど う し て しょ う こ を

(好きになってくれないの、ですって?)

大虎はその言葉を聞いた時、怒りよりも戸惑いが先行した。
だってそうだ。
あれほど非情な仕打ちをした人間にどうして愛して欲しかろう。
まして、そう考えること自体が狂っているとしか考えられない。

大虎自身、その性格の激しさ故、多くの人間と敵対してきた。
その度に自らの美貌と(彼女の美貌は素晴らしいものがあるが、本人は小虎には負けていると思っている)
類まれなる智謀、そして冷酷さで彼らを蹴落とし、葬ってきた。

だから、自分に害を被らせる人間に+になる感情など無い。

そうであるからこそ、前回の小虎の一言は彼女の胸に深く刺さった。
まるで入れ食い針のように食い込んだそれは忘れようとしても耳から離れようとしない。


不愉快だ。なぜこの私が、小虎なんかにこんな思いをさせられなければならないのか。
憂さ晴らしをするために一人、小虎の部屋へと向かうのだった。


対して、こちらは小虎の部屋。前回大虎に鞭打たれた傷がズキズキと痛む。一応消毒はしたものの
痛みは一向に引く気配を見せない。

小虎は考えていた。まだ二人がこんな関係ではなかった頃のことを。
仲良く遊んでお風呂に入って一緒に寝たあの日々を。
あの頃は楽しかった。毎日が充実していたし、何より大虎が優しかった。
綺麗で、頭も良くて活発な姉。自らの理想として慕っていた彼女がいまや自分を忌み嫌っている。
それが小虎には何よりも辛かった。

その時。

「・・・小虎。」

冷たい声。

瞬間、びくっと体がすくむ。

「ねぇ・・・さま・・・」

そこには怒りの形相の大虎がいた。

「あんたのせいで・・・っ!」

そう言うと被っていた布団を剥ぎ取る。

「こんな不愉快な気持ちにっ!」

そのまま上にのしかかると小虎の寝巻きを脱がす。
赤くはれ上がった傷跡。虐待の印。
恐らく衣服が擦れるだけで痛みを感じるのだろう。
小虎の目には涙が溜まっている。
その姿を見るだけでますます怒りがこみ上げてくる。
怒りに任せて小虎をうつぶせに寝かすと彼女のお尻を平手で打ち据える。

「いやあっ・・・いたい・・・いたいよぉ・・・」

ぴしゃっ!ぱしいんっ!と乾いた肌の音がする。

「ほら・・・!ほら、ほら!もっと鳴きなよ小虎!無様に・・・ねっ!」

ますます力を入れて叩く。

「ひいっ・・・もう・・・やめてぇ・・・」

小虎が必死に懇願する。

「いいだろう。」

案外すんなりと大虎は了承する。
しかし・・・ 


次はこっちだよっ!」

そう言うと今度は仰向けに転がして前回と同じようなペニスバンドで彼女の秘所を貫く。
処女ではもう無いとは言え、濡れてすらいない小さな秘所に異物を受け入れるだけの余裕など無い。
だからそれは痛みとなって現れる。

「ひぎぃ!だめ!ねぇさ、ま・・・あそこ・・・さけちゃうよぉ!」

余程痛いのだろう小虎は布団をぎゅっと握り締めて懸命にこらえている。

「あはっ!いいよ・・・いいよ小虎・・・もっと、もっとその声を聞かせるんだ・・・!」

ますます腰の動きを早めていく。小虎の幼い秘裂が押し広げられ、硬く太いモノをくわえ込まされる。

「ひぃん・・・!うっ・・・うっ・・・」

大虎に絶頂が近いようだ。

「イクよ!ほらあっ!」

最後の一突きは子宮まで届かんばかりの一撃。

「あぐっ・・・ぅ、いやぁぁぁっ!」

そうして大虎にとっては愉悦の、小虎にとっては地獄のひと時が終わる。

「ふん!いい気味さ・・・。」

しかし大虎の心は晴れない。未だにあの一言を気にしているのだろうか。
ふと、なにかを忘れていることに気づいた。それがなにか・・・。

(まぁいいわ・・・とっとと帰らなくては・・・)

そういって部屋を出ようとした、その時。


「小・・・虎・・・?」

それは一瞬の出来事だった。さっきまで寝ていたはずの小虎が大虎に抱きついた。

「ねぇ・・・さま・・・」

その声はこの間と同じでひどく弱々しかった。

「思い出して・・・むかし・・・しょうことねえさまがいっしょに遊んでた頃のこと・・・」

ひどく弱々しかったけれど。

「む・・・か・・・し・・・?」

ああ、そうだ。思い出した。あれは私がまだ8歳か、そこらだったころ。
小虎が誕生日に買ってもらった虎のぬいぐるみが羨ましくて、こっそり盗んでしまったときのこと。
それを知ったお父様にひどく叱られた私をこんな風に抱きしめてくれたっけ。
本当は一番怒りたいのは彼女のはずなのに。暖かくて、柔らかくて。
泣いていた私を包んでくれた。

こんな記憶、長いこと忘れていた。
甘く、切ない記憶。

弱々しくてもしっかり届いていた。

「ねぇさま・・・大好き・・・だよ・・・。」

そう言うと、小虎はその場に崩れ落ちた。


「小・・・虎・・・?」

真っ青というよりは白に近い顔の色。明らかに衰弱しきっている。

「小虎!小虎!誰か!誰か!」

絶叫。そして侍女達が飛び込んでくる。

その中で大虎は、ただ呆然と立ちすくむしかなかった。

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